昨夜はNHK再放送の「佐野元春ソングライターズVol.5/6:ゲスト 松本隆さん」を視ることができました。昨年、作詞家生活40周年を迎えられた松本隆さん、Part1では、はっぴいえんど時代、そしてPart2では職業作詞家として関わった松田聖子さんやさまざまプロジェクトのお話。録画できなかったのが残念な、またもう一度みたいすばらしい番組でした。

Part1で話されていた松本隆さんが語る「作詞」観、日頃、自分が大切にしたいと思っていることとも似た面があり、うれしいと同時に再確認するようなことも多く。

無意識な韻律、口語と書き言葉のミックス、「~です、~ます」などの丁寧語でのロック、漢字の使い方など。日本語でのロック、メンバーの間での考えの相違、日本語ロック論争など語りつがれているものもありますが、「はっぴいえんど」の世界は、ひと、それぞれの個性と才能、時代、すべてが重なったオリジナルなバンドだったと、つくづく(後追いで聴いてるひとではありますが)。

そして、松本隆さんご自身による「風をあつめて」の朗読は、ほんとうにすばらしく。「詞」でもあり「詩」でもありました。

『風をあつめて』、はっぴいえんどのものはなかったのですが、松本隆 作詞活動30周年記念ライヴ「風街ミーティング」より(中村一義&高野寛(vo)、松本隆(d)、細野晴臣(b)、鈴木 茂(g) )



作詞:松本隆さん、作曲:細野晴臣さん

街のはずれの
背のびした路次を散歩してたら
汚点だらけの靄ごしに
起きぬけの路面電車が
海を渡るのが見えたんです
それでぼくも
風をあつめて風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を

とても素敵な
昧爽どきを通り抜けてたら
伽藍とした防波堤ごしに
緋色の帆を掲げた都市が
碇泊してるのが見えたんです
     
人気のない
朝の珈琲屋で暇をつぶしてたら
ひび割れた玻璃ごしに
摩天楼の衣擦れが
舗道をひたすのを見たんです
 
    
「風」と「都市」、わたしがすごく小さい頃はうちの前にも露面電車(路面電車)が走ってました。

番組内でも話されていた、『風をあつめて』のもととなった『手紙』。




「始めは好きとか嫌いとか決めないで、絨毯爆撃みたいに、何でも吸収し、脳の中に入れてしまう。そして何年か放っておくと、必要なものと必要じゃないものが自然にが振り分けられて、自分が何に向いてるな、とか、何をしたらいいか、とか次に向かう方向性が見えてくる。それが自然だと思う。」とおっしゃっていた松本さん。

「日本って紙に書いた詩よりも、詠われた歌の言葉の方が歴史がずっと古い」「そういう事を考えていくと、歌の言葉っていうのは大事だなぁと思うし。。」「それなりに誇りを持って歌を作っていくっていうのは、非常に大切な事だと..」「大衆に支持され、そこで残っていく事が最も重要」
(Twitterで記録されていた @mokomok さんのものを参考に少し変えさえていただきました)

[日本語]
松本隆さんのトーク、いま読んでる水村美苗さん著の『日本語が亡びるとき~英語の世紀の中で』とかなりリンクするものが。もうすぐ読みおわりで、この本を表すような音楽ってなんだろうってちょうど考えていたところ。それは、松本隆さんの作詞の世界と「はっぴいえんど」かもしれません。

(投稿:日本 2010年2月4日、ハワイ 2月3日)


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