このところ、またすてきなのアルバム数枚との出会いがありました。その中に1枚が『ダークダックス大全』。かなりの曲数があるのですが、BOX CDセットのような数の大全という訳ではなく、内容的にまさに「大全」という感じなのではないでしょうか。ディスク2枚のうち、ディスク1には、CMやラジオなど、メッセージソングなど、ディスク2には主題歌やオリジナル曲が収められていて、ライナーノーツの解説やインタビューくわしく、写真もすてき。

1951年結成から、CMソング、テーマソング、メッセージソングなどを含めかなりの数にのぼる作品がある中から、未音盤化のものやCD化されていないものを中心に選曲されたという、この作品、聴けば聴くほどすばらしく、何から書いていいかと思ってましたが、わたしとしては、やはりまずはこれからでしょう、フランシス・レイ(FRANCIS LAI)もの、『愛のメルヘン』と『流れ者』。というのは、このフランシス・レイものこそが、ダークダックスの知らなかった世界へいざなってくれた道標なのです。ダークダックスのヴァージョンで『流れ者』を初めて耳にしたのは、実はこのアルバムより前にYouTubeで。すごくすてきで感動。
『愛のメルヘン』と『流れ者』、この2曲は、1971年発売のシングル盤のA面とB面という作品。レコーディングはフランス、パリにて。

愛のメルヘン:
作詞:カトリーヌ・ドゥザージュ(CATHERINE DESSAGE)
作曲:フランシス・レイ(FRANCIS LAI)
編曲:クリスチャン・ゴベール、訳詞:伊吹秀一、中村五郎
演奏:フランシス・レイ楽団、クリスチャン・ゴベール指揮
曲の始まり、とってもフレンチしてるささやきは、フランシス・レイと奥様によるものだそう。街の雑踏サウンドが何ともいえずよいです。ダークダックスのちょっとおさえた感じの歌唱もすてき。



『愛のメルヘン』は、ダークダックスの依頼によって生まれたフランシス・レイによる書き下ろし曲。レイご自身も翌年にアルバム『MADE IN FRANE』に収録(邦題『愛を育てて』)。

雑誌「レコードコレクターズ」2008年12月号/ 2009年1月号からという喜早哲さん(ダークダックス)インタビューには、フランス・レコーディングのお話にもちょっと触れていて、フランシス・レイの指示による普段のダークダックスとちがう発声法などのことも。徹夜のレコーディングとなったそうですが、レイさんもずっと一緒だったそう。このアルバムのライナーノーツでは、そんな写真も拝見することができました :)

流れ者/ LE VOYOU:
作詞:カトリーヌ・ドゥザージュ(CATHERINE DESSAGE)
作曲:フランシス・レイ(FRANCIS LAI)
編曲:クリスチャン・ゴベール、訳詞:岩谷時子
演奏:フランシス・レイ楽団、クリスチャン・ゴベール指揮
こちらは、カヴァー作品。『流れ者』を選んだというのがすばらしいですね!(ダークダックスが選んだのか、レイなのかはわからにのですけど)
アレンジがかなり好みです。何度聴いても。



こちらの2曲が入っているディスク2は、その他にも名曲がたくさん。こちらについては、また、つづきに…

[中村五郎]
ダークダックスの曲で、たまに見かける「中村五郎」さん、作詞をされてることもあるし、作曲、アレンジも。インタビューを読んで、初めて知りました、中村五郎さんはダークダックスのことだったのですね。
メンバーの誰が書いても中村五郎としようというものなのだと。名前の由来は「中村五郎」というニューフォークの歌から。そして、その作詞、作曲がダークダックス。
『愛のメルヘン』の訳詞も、伊吹秀一さんとともに手がけてらっしゃいます。
ところで、『愛のメルヘン』はダークダックスのメルヘン3部作、第3だそうですが、他の2曲、『花のメルヘン』、『星のメルヘン』とはだいぶ感じがことなりますよね。始まりもこの2曲はこどものおしゃべり、『愛のメルヘン』はパリの街の音。そのあたりかなりくわしいと思われるあひるフリークの方たちにも伺ってみたいところです。

[メルヘン三部作]
花のメルヘン:1970年
こどもの頃、この曲に感動すると同時によく歌ってました。多分、ダークダックスの存在をしっかり知ったのはこの曲からなのではと(発売時は、まだ記憶なしの年頃ですが、その後もよく歌ってらしたので)。



星のメルヘン:1971年



(投稿:日本 2010年9月21日、ハワイ 9月20日)

パクさんことトップテナー担当の高見澤 宏さんが1月7日、心不全のため亡くなりになりました。77歳。オリジナル・メンバーでの活動を基本としていたダークダックス、もう4人のコーラスが聴けないのかと思うととても残念です。心癒してくれるすてきなコーラス、ありがとうございました。
パクさん、安らかにお眠りください。

(投稿:日本 2011年1月)


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